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最終更新日2020年8月12日
漫画
12
茄子
黒田硫黄
スタジオジブリの映画「茄子・アンダルシアの夏(2003)」や続編「茄子・スーツケースの渡り鳥(2007)」をご覧になった方は多いと思うが、と同時に「茄子?」なんで「茄子?」と思った方もかなりの数いると思う。そしてそれらの奇妙な自転車ムービーに原作の漫画があったことを知っている方は意外にもあんまりいないんじゃないかなぁと感じている。全3巻。
黒田硫黄と言えば、絵筆を用いたまるで版画のような独特な絵柄でお馴染みだが、茄子という黒くて丸っこいあの造形物を描くにはもうもってこいなんじゃなかろうか、いやそんなことはどうでもいい、とにかくなぜ茄子なのか、茄子に纏わる、およそ茄子とは何の関係のない筋書きにさえ、強引に茄子をあてがう、茄子がなければ死んでしまう、そうして出来上がったこのお話は立派に全編「茄子による茄子のための茄子の物語」になっている。不思議なことに。
かなり前の話だがあの大友克洋のインタビューを読んだ時に漫画家のうちで自転車が流行していて云々という件があったので、もしかしたら短編アンダルシアの夏はその話と因果関係があるのかもしれない。だけどやっぱり茄子なんだよな。
ちなみにそのジブリ映画も本作の構成をあますところなく踏襲しているのはリスペクトゆえだろうと思う。それに僕が買った第1巻の帯では宮崎駿カントクが「このおもしろさが判る奴は本物だ。」と仰っているので、多分僕は本物。
内容を理解するには別の知識が必要か
特になし。
読み易さについて
この独特な絵柄をどう思うかで読み易さは大分変わると思う。ただし一度でもハマれば他の描線がCGのような作り物(?)に見えてしまう不思議。
誰にでもお薦めできる内容か
この面白さは映画でも実証済み。
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