管理番号187
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最終更新日2020年8月12日
漫画
10
花もて語れ
片山ユキヲ
「言葉とは声から生まれたもの」こんな導入で始まる、伝える文化「朗読」をテーマにした引っ込み思案で声の小さい主人公「ハナ」ちゃんの成長を描いた物語。全13巻。
日本朗読文化協会の協力のもと「朗読」の技法やその意義もきちんと解説しつつ、どうすれば伝わるのか・どのように表現すべきかといった、作り手界隈には頭の痛い普遍的な課題についてもハッとするような閃きを与えてくれるバイブルのような本。正直に言うと、僕個人の考えでは一種の警句集のような立ち位置にある。
宮沢賢治や金子みすゞ、芥川龍之介などの文学作品を取り扱い、作家たちが紡いだ言葉の意図をどう読み解いていくのかも面白い。その上で登場人物たちの直面する問題に、あるいは自分自身の抱える問題に「ハナ」ちゃんが朗読でどう立ち向かっていくのか、「想いを伝える」というシンプルな見せ方にグッと深みの増した答えが乗っかっていく筋書きはこの物語ならではと言えるだろう。
内容を理解するには別の知識が必要か
特になし。
読み易さについて
よく言われることなのだが「音」のない文学作品で、どのように「音」を伝えるのか、本作の漫画としての表現にも注目したい。
誰にでもお薦めできる内容か
逆に誰にでも読んでほしい、と素直に思える一冊。
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